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SLE患者さんの日常生活の工夫 SLEの症状に影響をおよぼしやすい「日光」や「心の負担」。紫外線をカットする工夫をしたり、周囲の理解やサポートを得て、より良い日常生活を送りましょう。 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科 准教授 岸本暢将先生

SLE患者さんにとって、日々の生活の中で特に注意が必要な紫外線対策。また、心理的なストレスをできるだけ抱えないことも大切です。今回は、これらについての対策と、神経質になりすぎずに治療生活を送るためのアドバイスを、杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科 准教授の岸本暢将先生にお話しいただきました。

さまざまな工夫で、できるだけ紫外線を防ぐ

日焼け止めクリームを積極的に活用

SLEは、直射日光(紫外線)の影響を受けやすい病気です。SLEの症状が悪化したり再燃につながる心配もあるため、特に日光過敏症のある患者さんは、日ごろから直射日光を避ける工夫が必要です。
直射日光による影響を防ぐためには、UV-AとUV-Bの2種類の紫外線への対策が必要です。UV-AとUV-Bは光線の波長の長さに大きな差があります。UV-Aは波長が長く、室内まで光が到達します。日中、特に外出の際には日焼け止めクリームをしっかり塗ることがおすすめです。
一般的に、日焼け止めクリームには「PA」「SPF」が表示されています。UV-Aをカットする機能を表す「PA」は、「Protection Grade of UVA」の略です。「PA+」から「PA++++」まで4段階あり、「+」の数が多いほどUVカットの効果が強いことを示しています。
「SPF」は、「Sun Protection Factor」の略で、UV-Bカットの強さの指標です。塗らない場合に対して何倍の紫外線を浴びることができるかを示す数値で、値が大きいほどUV-Bを防ぐ効果が高まります。例えば、15分で日焼けを起こす人がSPF20の日焼け止めクリームを付けた場合、15分×20=300分(=5時間)、つまり日光に5時間当たり続けた時に、 日焼けが起きることを示します。

日焼け止めクリームを積極的に活用

顔に塗る時は、パール粒1個分(約0.7cm大)を手に取り塗ります。さらに上からもう1個分を重ね塗りします。そうすることで、紫外線を防ぐ効果が高まります。汗をかいたり泳いだりすると落ちやすいため、2~3時間おきに塗り直すのがおすすめです。最近では、汗や水でも落ちにくい商品もありますので、上手に活用しましょう。

顔に塗る時は、パール粒1個分(約0.7cm大)を手に取り塗ります。

洋服、カーテン、フィルムでも日光をさえぎる

外出の際には、洋服でも日光を遮る工夫も大切です。できるだけ肌の露出の少ない服装が望ましいですね。また、紫外線をよりしっかり防ぐためには、最近ではUVカット効果のある服もありますので、暑い時期などは取り入れると良いと思います。そのほか日傘やサングラス、つばの大きな帽子なども上手に活用すると良いですね。
先ほどお話ししたように、部屋の中であれば紫外線は全くないというわけではありません。紫外線は窓から侵入してきますので、窓ガラスに紫外線遮断フィルムを貼ったりUVコーティングをしたり、UVカット機能のあるカーテンを使うなどといった対策がおすすめです。また、蛍光灯からは紫外線が発生しています。そのため、蛍光灯に紫外線遮断フィルムを貼ったり、LEDライトや白熱灯などの照明を選ぶのも、一つの方法でしょう。このように、さまざまな工夫を積み重ねることで、少しずつ紫外線の影響を減らすことができます。

  • 橋本博史:全身性エリテマトーデス臨床マニュアル第3版. 日本医事新報社, 2017, P384.
洋服、カーテン、フィルムでも日光をさえぎる
  • 橋本博史:全身性エリテマトーデス臨床マニュアル第3版. 日本医事新報社, 2017, P384.

周りの人に頼ることも大切

家庭・友人・職場のサポートを得る

SLE患者さんは、日常生活の中で身体的・精神的・社会的にさまざまな負担を感じることが多いのですが、神経質になりすぎると、心の負担(ストレス)につながってしまいます。
また、日本人は、世界的に見ても、周りの人を頼らずに何でも自分でやろうとする傾向があります。お子さんがいらっしゃる方は、育児や家事をがんばり過ぎてしまうこともあるでしょう。でも、本来体を休めなければならない時に無理をしてしまっては、心身への負担をさらに大きくすることになってしまいます。体調を保つようにしながらも、大変な場面やつらい時には、無理をしたり一人で抱え込まずに、周りの人を頼ってほしいです。ご家族、友人、職場の人たちなど、SLEのことを理解して協力してくれる人が必ずいらっしゃると思います。
私は入院しているSLE患者さんが退院される時、ご家族に同席してもらって「症状が落ち着くまでは、ご自宅が病院です」と話し、ご家族の方に患者さんへのサポートをお願いします。一番近くにいるご家族が理解して助けてくれることは、患者さんにとって大きな負担の軽減や、心の支えになると考えるからです。入退院の説明を受ける際などは、ぜひ同席してもらってください。

家庭・友人・職場のサポートを得る

医師・スタッフには遠慮なく相談を

もちろん、私たち医師やスタッフにも、ぜひ何でも話して頼ってほしいですね。SLEや関連する病気のこと、今の症状で気になることやつらいこと、ご家族のこと、妊娠・出産のこと、仕事のこと、趣味のことなど、何でもかまいません。私たちは患者さんのことをたくさん知って、患者さんを理解し、一人ひとりに合ったより良い治療につなげたいと考えています。健康な人とできるだけ同じような生活を送っていただけるようサポートするのが使命だと思っています。
また、現在はインターネットなどを通じて、さまざまな情報に触れることが可能です。しかし、それぞれの患者さんにとって的確なアドバイスを得るためにも、医師やスタッフに相談してほしいと思います。周りの人と力を合わせて、一緒により良い治療を続けていきましょう。

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