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- SLEの診断/SLEの病型
SLE(全身性エリテマトーデス)は、患者さんによって症状や重症度などが異なり、それに応じた治療法が選択されます。そこで、重症度や症状ごとの特徴で分類がされています。
重症度・予後からみた分類
「軽症SLE」は、内臓の重篤な障害がない場合を指します。主な症状は、発熱や紅斑、関節痛(炎)、筋痛、レイノー現象などがあげられます。
また「中等症SLE」と「重症SLE」は、長期にわたる経緯の中で、生命予後に悪い影響を及ぼす症状や難治性の症状、完全に寛解(症状や検査異常が消えた状態)になる割合が低い症状が含まれます。中等症の場合、持続的なタンパク尿や、溶血性貧血、神経・精神症状がみられます。重症では、ネフローゼ症候群や腎不全、継続的な発作、肺高血圧症などの症状が起こる場合があります。
症状ごとの分類
ループス腎炎
ループス腎炎はSLEの予後に関わる症状の一つで、軽症から重症まで幅広い症状があります。そのため重症度や活動性、さらに腎臓以外の症状などからⅠ~Ⅴ型に分類し、治療方法などを選びます。
神経精神ループス
精神神経症状においては、アメリカリウマチ学会(ACR)により、以下の3つに分類されています。
中枢神経の症状
中枢神経の障害により、片頭痛や運動の障害、けいれんなどの症状が起こる場合があります。
精神症状
脳の機能の障害により、不安や気分障害、認知障害といった精神の症状が起こる場合があります。
末梢神経の症状
末梢神経の障害により、自律神経の異常や、感覚・筋力などに異常が生じることがあります。
【参考文献】
橋本博史:全身性エリテマトーデス臨床マニュアル第3版. 日本医事新報社. 2017.
【監修】
北海道大学大学院医学院・医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授 渥美 達也先生